このアレルギーについてよくいただく質問

アニサキスアレルギーについて

Q1. アニサキスアレルギーとはなんですか?

アニサキスアレルギーとは、寄生虫であるアニサキス(Anisakis)のアレルゲンに対して生じるアレルギーのことです。

アニサキスは主に海洋内に生態系をもち、魚介類や海棲哺乳類(イルカ・クジラなど)の体内をすみかとする寄生虫で、魚の体内では幼虫の姿で寄生しています。イルカ・クジラなどの消化管内で成虫になり、糞便とともに虫卵が海洋内に再び排出されます。

虫体や分泌物、卵や糞便などに含まれるアレルゲン(タンパク質)に対して、人体がアレルギー反応を起こしてしまうこと、これがアニサキスアレルギーです。(アニサキスアレルギー協会HPより)

虫体の生死、加熱などの熱処理にかかわらず、口にしてしまったヒトではアレルギー反応が起こる可能性があります。

Q2. アニサキスアレルギーはどんな症状が出るアレルギーですか?

アニサキスアレルギーは、食物を汚染する寄生虫によるアレルギーであることから、広義の食物アレルギーや食物関連アレルギーとカテゴライズされることがあり、食物アレルギーとよく似た症状が出ることが知られています。
蕁麻疹が出る人、息苦しさを訴える人、重症化するとアナフィラキシーショックを起こす人など、患者さんによって症状はさまざまです。(アニサキスアレルギー協会理事 鈴木慎太郎医師解説より)

Q3. アナフィラキシーとはなんですか? アナフィラキシーショックとは違うものですか?

アナフィラキシーとは「ごく短い時間に全身にあらわれるアレルギー症状」のことです。アレルゲンに曝露する(触れる、食べる(飲む)、吸い込むことなど)で引き起こされ、典型例では複数の臓器(皮膚、粘膜、呼吸器、消化器、循環器など)で重篤な症状や全身症状があらわれます。
このアナフィラキシーによって、血圧の低下や意識障害などを引き起こし、場合によっては生命を脅かす危険な状態になることがあります。この最重症の状態をアナフィラキシーショックといいます。

アナフィラキシーの症状はさまざまです。
じんましん、赤み、かゆみなどの「皮膚の症状」。くしゃみ、せき、ぜいぜい、息苦しさなどの「呼吸器の症状」。目のかゆみやむくみ、くちびるの腫れなどの「粘膜の症状」。腹痛や嘔吐などの「消化器の症状」。血圧低下など「循環器の症状」。これらの症状が複数の臓器にわたり全身に急速にあらわれるのが、アナフィラキシーの特徴です。

特に、急激な血圧低下で意識を失うなどの「ショック症状」も1割程みられ、これはとても危険な状態です(アナフィラキシーショック)。

Q4. アニサキスアレルギーを診ていただける医療機関を教えてください

以下のサイトにおいて、日本アレルギー学会の専門医制度で認定された医師が、自分の居住地域にいるかどうかを知ることができます。ご参照ください。

日本アレルギー学会専門医・指導医一覧(一般用)

各都道府県が指定したアレルギー拠点病院という施設区分もありますので、厚労省が作成したアレルギーポータルもご参照ください。

アレルギーポータル 医療機関情報

Q5. アニサキス症とアニサキスアレルギーの違いを教えてください

アニサキス症とは、生きたアニサキス虫体を汚染された食品と共に食べてしまった場合に引き起こされる食中毒のことです。
アニサキスが胃や腸などの内臓壁に突き刺さり、猛烈な腹痛、吐き気や嘔吐に襲われます。内視鏡などで虫体を摘出したり、薬を投与したりすることで症状は回復します(アニサキスアレルギー協会HPより)。

※ 東京新聞2021年2月18日の記事には、「内臓にかみつく、などといわれますが、実際はアレルギー反応で痛みを起こすと考えられています」という目黒寄生虫館の研究室長、巌城(いわき)隆さんの談話が掲載されています。

アニサキスアレルギーは、アニサキスのタンパク質や分泌物に反応しますので、虫体の生死、熱処理などを行ってもアレルギー反応が起こる可能性があります(Q1をご参照ください)。

Q6. アニサキス症に何度もなっていますが、アニサキスアレルギーになっている可能性は高いでしょうか?
一度アレルギー検査(IgE検査)をすることをお勧めします。
「アニサキス」を指定項目とした検査を申し込めば、どの病院からでも検査可能です。
血液検査の結果のほか、明確なエピソードなどがないと診断は出来ませんので医療機関でご相談ください。
食べられる・食べられない

Q1. 食べられる魚介類・食べられない魚介類を教えてください

アニサキスアレルギーは、海の魚に寄生する線虫「アニサキス」をアレルゲンとするアレルギーです。
アニサキスのタンパク質に反応してしまうため、患者は「アニサキス(のタンパク質)を含んでいる可能性のある魚介類」および「アニサキス(のタンパク質)を含む可能性のある魚介類の加工食品」すべてに注意を払う必要があります。
残念なことに、アニサキスは主に海洋内を生態系にしているあらゆる魚介類に寄生しているので、海の魚は例外なく食べられないと思った方がいいでしょう。
特に、サバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなどは、アニサキスの寄生率が高いとされていますので注意が必要です。

東京都福祉保健局 アニサキスが検出された魚介類

エビ、カニ、貝類、タコなどはアニサキスの寄生する相手ではありませんので比較的安全ですが、アニサキスが寄生した魚を餌として食べた場合、それをヒトが摂取するとアニサキスアレルゲンが人体に入ってくる可能性があります。可能性は低くなりますが、避けた方が無難でしょう(小さなエビやオキアミ、シラスなどはアニサキスの卵や幼虫を餌にしているので積極的に避けた方がいいでしょう)。

加工食品も注意が必要です。 生きて蠢いているアニサキスがいなくても、その死骸やカケラがアレルゲンとなり、アニサキスアレルギーの患者に襲いかかります。 ですので、生魚だけでなく、焼き魚、煮魚、練り物、魚介だし、魚介エキスなども危険です。

また、川魚は安全と言われていますが、研究者によると、「川にアニサキスは絶対にいない」「淡水魚にはアニサキスが寄生しない」ということは、現段階で断言できないとのことです(東京海洋大学嶋倉准教授)。また、海を経由する川魚(鮎や鰻など)も危険性は高いと言えます。

実際に焼いたウナギを喫食した後にアニサキスアレルギーになった症例が存在します。(アニサキスアレルギー協会理事 鈴木慎太郎医師解説より)

なお、アニサキスアレルギーの治療において医師から「魚介類完全除去」を勧められた患者は、上記の貝類やタコ、カニ、エビ、ウニ、海藻なども含めて、海のものはすべて避けて生活する必要があります。海に漂う卵や幼虫がそれらに捕食されている可能性や、付着している可能性があるからです。

また、海水浴などで海に入ること自体も避けた方がいいと指導される場合もあります。IgE値が高くアナフィラキシーショックになる可能性が高い患者はそういうリスクも避けた方がいいでしょう。

Q2. 医師に「生魚は避けてください」と言われましたが、焼いたり、煮たりすれば大丈夫なのですか?

悲しいことに大丈夫ではありません。
アニサキスアレルギーは、寄生虫アニサキスが生きているか死んでいるかに関係なく、アニサキスのタンパク質に反応するアレルギーです。ですので、アニサキスの死骸やカケラにも反応してしまいます。

刺身や鮨などの「生魚」だけでなく、「焼き魚」、「煮魚」、カマボコやさつま揚げ、ちくわなどの「練り物」(スケトウダラやホッケなどの白身魚の身をすり潰して成型したもの)、かつお節やいりこだしのような「魚介だし」、サバエキスやかつおエキスみたいな「魚介エキス」なども、アニサキスのタンパク質が死骸や欠片として残っている可能性があるので、避けることをお勧めします。

日本では「だし」は料理に幅広く使われていて、鍋物や麺類の汁なども危険です。おせんべいなどのお菓子に「かつおだし」として塗られている場合もあるので注意が必要です。
また、魚介エキスも加工食品にとても多く使われていますので注意が必要です。コンビニやスーパーで売られている加工食品の食品表示をよく確認して購入する必要があります。駅弁などもよく見ると魚介エキスを多用していたりしますので注意が必要です(かなりの駅弁がNGになります)。
医師の指導により厳密に「魚介類完全除去」をしている患者の中で、食品表示で「たんぱく加水分解物」「調味料(アミノ酸等)」と書いてあるものも避けている方もいます。メーカーに寄っては魚介の身を原材料として使用していることがあるからです。
ただ、この辺の厳密度合いは医師の治療方針に寄りますので、医師にもお聞きください。

Q3. 寄生虫アニサキスを取り除けば、その魚は食べられますか?

アニサキスアレルギーは、海の魚に寄生する線虫「アニサキス」をアレルゲンとするアレルギーです。
アニサキスのタンパク質に反応してしまうため、患者は「アニサキス(のタンパク質)を含んでいる可能性のある魚介類」および「アニサキス(のタンパク質)を含む可能性のある魚介類の加工食品」すべてに注意を払う必要があります。
つまり、生きて蠢いているアニサキスがいなくても、その死骸やカケラがアレルゲンとなり、アニサキスアレルギーの患者に襲いかかります。生魚だけでなく、焼き魚、煮魚、練り物、魚介だし、魚介エキスなども危険です。
また、そのアニサキス自体(生物・死骸・カケラ)を取り除いたとしても、そこまでアニサキスが移動した軌跡に分泌物(ES)が残ります(たいていは内臓から身に移動します)。その分泌物に対してアレルギー反応を起こす場合もあるので安全とは言えません。

Q4. だし(出汁)は食べられますか? 昆布ダシならどうですか?

アニサキスアレルギーは、寄生虫アニサキスが生きているか死んでいるかに関係なく、アニサキスのタンパク質に反応するアレルギーです。ですので、アニサキスの死骸やカケラにも反応してしまいます。
かつお節やいりこだしのような「魚介だし」は避けることをお勧めします。
日本では魚介だしは料理に幅広く使われていて、鍋物や麺類の汁なども危険です。おせんべいなどのお菓子に「かつおだし」として塗られている場合もあるので注意が必要です。
昆布ダシは基本的に大丈夫です。昆布は海藻ですが、アニサキスは寄生しませんし、たまたまアニサキスの卵などが付着していたとしても加工時まで残っている可能性は低いです。

Q5. 魚卵は食べられますか?

イクラの卵の中にアニサキスがいた例が目撃されています。つまり魚卵は避けた方がいい食べ物です。
アニサキスは魚の内臓に寄生しています。卵巣も例外ではありません。食べない方がいいでしょう。

Q6. 川魚は食べられますか? 鰻や鮎など海から遡上する魚はどうでしょうか?

イクラ(卵)の中にアニサキスがいた例が目撃されています。つまり魚卵は避けた方がいい食べ物です。
アニサキスは魚の内臓に寄生しています。卵巣も例外ではありません。食べない方がいいでしょう。

Q7. 鮨ネタで食べられるものを教えてください。

残念なことに、アニサキスは、海を生態系にしているあらゆる魚介類に寄生しています。ですので、海の魚をタネにしている場合、その握りやつまみは例外なく食べられないと思った方がいいと思います。

特に、サバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなどは、アニサキスの寄生率が高いとされていますので注意が必要です。
微妙なのはマグロで、「船上でさばいて急速冷凍したマグロは比較的危険がない」と言う方もいますが、結論から言うと、可能性は低いと思いますが安全であると言い切ることはできません。
マグロは腹膜が厚いため、マグロの死後にアニサキスが内臓から筋肉部分(身の部分)へ這い出すのには時間がかかると考えられます。アニサキスが移動する前に内臓が排除されていることが大切です。
さらに急速冷凍することで、アニサキスを殺し、一部のタンパク質を不活化できる可能性もあります。ただ、内臓を剥ぎ取るタイミングや冷凍するタイミング、冷凍温度が特定できないことがネックです。つまり、マグロも完全に安全とは言えません。
比較的安全なのは、貝類やウニ、タコ、カニ、大型のエビなどです。これらにはアニサキスは寄生しません(小型のエビやアミはアニサキスの卵や幼虫を食べるので避けた方がいいでしょう)。しかし、前述したようにアニサキスが寄生した小型海棲生物を捕食し消化管内に含んでいる可能性があり、調理・加工に際して注意が必要です。
鮨全般に多用される海苔ですが、海から揚げてそのまま干す場合、アニサキスの幼虫や卵が付着している可能性があるので注意が必要です。
また、アニサキスは海の寄生虫ですので、川魚の鮨は比較的安全と思われがちですが、研究者によると、「川にアニサキスは絶対にいない」「淡水魚にはアニサキスが寄生しない」ということは、現段階で断言できないとのことです(東京海洋大学嶋倉准教授)。特に海を経由する川魚(鮎や鰻など)は危険性が高いと言えそうです。

魚介類以外であれば、かんぴょう巻やきゅうり巻は安全でしょう。玉子は微妙で、だし巻き玉子の場合はたいてい魚介だしを使用しているので避けてください。また、ちらし寿司などにもよく使われる「おぼろ(でんぶ)」ですが、魚肉を使用していることが多いので、これも危険です。

Q8. 養殖魚は食べられますか? 陸上養殖なら食べられますか?

アニサキスの成虫はクジラやイルカなどの海洋哺乳類の消化管に寄生しています。そして宿主の胎内で卵を産み、それが糞便と共に海中に放出されます。
つまり海には卵や幼虫が漂っているわけで、それを、プランクトンを餌としている小魚などが捕食し、その小魚を小型の魚が捕食し、それを中型の魚が捕食し、それを大型の魚が捕食し、と、食物連鎖していきます。
このことからわかるように、その養殖魚が「海で養殖されている」のであれば、プランクトンや小魚などが海水に混入している可能性が高く、それがたまたまその中型魚や大型魚の消化管に寄生する可能性もあるので、その養殖魚にアニサキスが寄生している可能性も高くなります。「天然の海水を使用して陸上で養殖をされている」場合も同じです。
天然の海水を使用していない場合でも、その魚の餌に「魚粉」などを使用している場合、そこにアニサキスの死骸などが混じっている可能性があり、それを食べた魚をヒトが摂取するとアニサキスアレルゲンが人体に入ってくる可能性があります。つまり、危険か危険じゃないかと言えば、危険だと言わざるを得ません。

Q9. マグロは大丈夫という説もありますが、どうなのでしょうか?

「船上でさばいて急速冷凍したマグロは比較的危険がない」と言う方もいますが、結論から言うと、可能性は低いとは思いますが安全であると言い切ることはできません。
マグロは腹膜が厚いため、マグロの死後にアニサキスが内臓から筋肉部分(身の部分)へ這い出すのには時間がかかると考えられます。アニサキスが移動する前に内臓が排除されていることが大切です。
さらに急速冷凍することで、アニサキスを殺し、一部のタンパク質を不活化できる可能性もあります。ただ、内臓を剥ぎ取るタイミングや冷凍するタイミング、冷凍温度が特定できないことがネックです。つまり、何が言いたいかというと、マグロも完全に安全とは言えません。

Q10. カマボコやちくわ、はんぺんなどの練り物は食べられますか?

避けた方がいいでしょう。
アニサキスアレルギーは、海の魚に寄生する線虫「アニサキス」をアレルゲンとするアレルギーです。アニサキスのタンパク質に反応してしまうため、患者は「アニサキス(のタンパク質)を含んでいる可能性のある魚介類」および「アニサキス(のタンパク質)を含む可能性のある魚介類の加工食品」すべてに注意を払う必要があります。
カマボコやちくわ、はんぺんなどの練り物は、白身魚から作られていることがほとんどですので、危険です(メーカーによって作り方が異なるのでそのメーカーにお問い合わせください)。

Q11. 魚肉ソーセージは食べられますか?

避けた方がいいでしょう。
魚肉ソーセージは、主に白身魚をすり身にした原料を使ってソーセージに加工しているので危険です(メーカーによって作り方が異なるのでそのメーカーにお問い合わせください)。

Q12. キムチは食べられますか?

伝統的なキムチは、アミ(orアミエビ)という小さなエビの一種(正確にはアキアミ)を使用することが多いです(メーカーによって違います)。
アミはアニサキスの卵や幼虫を餌とし、アニサキスの第一中間宿主になります。つまりアニサキスが寄生していますので危険です。キムチは食べない方がいいでしょう。
ちなみにメーカーによって「アミを使用しないキムチ」を作っている場合もあります。もちろんそれは食べられます。

Q13. アンチョビソースなどは食べられますか?

アンチョビとはカタクチイワシを塩漬けにして加工したものです。カタクチイワシにアニサキスは寄生しますので、食べない方がいいでしょう。

Q14. 魚醤(ナンプラー、ニョクマム、コラトゥーラ、しょっつるなど)は食べられますか?

魚醤は一般的に生魚を塩に漬け込んで発酵させて作ります。海の魚を使っていることが多いので避けた方が無難でしょう。